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Vang Vieng, LAOS

投稿日:27/09/2017 更新日:

そう遠くない昔、ここヴァンビエンは多くのバックパッカーが訪れパーティーとドラッグの町として広く知られていた。 時は遡り、かつてヴァンビエンがバックパッカーの町だった頃の話。ヴァンヴィエンにはチュービングというタイヤ型の浮輪で5時間ぐらいかけて上流からゆっくり川下りする人気アクティビティーがあり、その川沿いにはチュービング中に立ち寄れるバーがいくつかあった。中でもリバーサイドと言うバーはチュービング客にアルコールをはじめ違法なドラッグを販売していてバーには大きなバルコニーの様な広いスペースがあり大音量で音楽がかかりアルコールの一気飲みやダンス、飛び込み台から川へのダイブなど連日チュービング客で盛り上がっていた。その噂は口コミで広がって行き、そして2000年を過ぎるとネットを通して加速的に有名になり、そして世界中からその噂を聞きつけた旅行者が集まる様になっていた。観光客の増加と共にチュービング客による悲惨な事故が絶えなくなる。酒とドラッグで酔っ払った観光客が川へ飛び込み岩で頭を強打して亡くなったり、アルコールの過剰摂取による急性アルコール中毒やドラッグによるオーバードズで命を落としたり、泥酔状態でチュービングをして溺れてそのまま行方不明になったり、2011年には27人の旅行者が命を落としている。また川へのダイブによる骨折や怪我と感染した痛み、急性アルコール中毒、薬物による急性中毒など、1日5〜10人の観光客が病院へ搬送されていた。またドラッグが簡単に手に入るその環境は町に住む地元のラオス人ティーンネイジャー達にも悪影響を及ぼした。これが当時ヴァンヴィエンで大きな問題となっていた。

ヴァンヴィエンは1980年頃から旅行者が増え1990年代に入ると町を訪れる旅行者の増加に比例してレストランや宿泊施設が急増した。全盛期のピーク時には多くの露店やクラブ、喫茶店などで酒をはじめとしたドラッグの販売で大型店では1日の売上が日本円に換算して約30万円程あったと言う。今から7年前のラオスの平均年収が日本円換算で約7万円だったとの事なので1日にして平均年収の4倍以上の売り上げがあると思って貰えばその凄さがわかるだろう。

翌年2012年には月に2人のオーストラリア人観光客が亡くなった。その事件を切っ掛けにとうとうラオス政府が動く。チュービングツアーは現在も観光客がタイヤチューブを積んだチュービングツアーと書かれたトラックに乗ってる光景を目にしてるので今でも運営していると思うが、その問題となっていたリバーサイドバーは2012年に閉店したとの事だ。

またラオス政府は町のあちこちでドラッグを売っていた露店やレストランやバーも取り締まりその大半は無くなった。その情報は世界中のバックパッカーへとブログやSNSなどを通して広く知れ渡り、それに伴い欧米人バックパッカーが減少した。今まで観光客の大半が欧米人旅行者だったのでその影響で一時は町から観光客も殆どいなくなった。

現在も昔あった様なドラッグを販売する店は数件残っているが、客足も少なくひっそりと営業している。僕が訪れた2017年には噂で聞いていた昔のヴァンヴィエンの姿は無く、それは過去の残像となっていた。現在ヴァンヴィエンは韓国人ツアー客が多く訪れるようになり町のあちこちでツアー客を連れたツアーガイドが広場で何やら説明をしている姿を見かける。数年前に韓国のテレビで紹介され、それから多くの韓国人観光客がこの町を訪れるようになったとヴァンビエン在住の韓国人が教えてくれた。おそらく現在のヴァンヴィエンは5〜6年前に訪れた人からすると考えられない光景だろう。町のあちこちで韓国語で書いてある看板やレストランのメニューを見かける。この光景を目にすると一時期ゴーストタウンとなったこの町は韓国人観光客に救われたと言っても決して過言ではないと思う。韓国人旅行客がいつまでヴァンヴィエンへ足を運んでくれるかわからないが、日本人や中国人旅行者は増加傾向にありアウトドアアクティビティー中心の観光の町として再生し始めてる。

多くのアジア人観光客はバックパッカーが利用していたホステルや安宿などを好んでいない為、古いクラブやバーそして安宿などが取り壊されて新たにアジア人観光客好みのホテルやレストランが建設されている。町を訪れる人が変われば町もそれに合わせて変わっていく。それは観光で成り立っているこの町の運命なのかもしれない。

現在ヴァンヴィエンは、新しいヴァンヴィエンへと生まれ変わって行く狭間にある。

Laos 9ed
アジア, ブック, 旅行¥1,900Lonely Planet

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